故障を繰り返すプレス機始動盤。「予算の範囲内で」のリプレースで、安定稼働を実現できました。

投稿日 : 2014-04-04

東京近郊のプレス工場さまから丸芝に、故障が頻発しているプレス機で抜本的な対策がとりたい、という連絡が入りました。このプレス機の故障では、何度も修理を担当してきましたが、製造から30年以上が経過しているため、修理コストもバカにならなくなっていました。依頼主さまのご要望は、一も二もなくプレス機の安定稼働です。

そのためには制御盤を一新したいところですが、提示された予算はなかなか厳しいもの。

「問題点を洗いだし、優先箇所の機器交換で安定稼働をめざす」方針でのぞむことになりました。

この制御盤はプレス機と共に納入されたものですが、改修のたび図面に書き込みがなされ、もはや元の図面が判読できませんでした。そこで新たに回路図を作成。図面を参照しつつ、プレス機の動作を確認してシーケンスを確認していきました。とくに注意すべきがインターラップで、ひとつひとつの作動条件を地道に、丁寧に読み解いていきます。

また、プレス機には起動用リアクトルが使用されていました。受変電容量に制限があるためで、それも考慮に入れた図面をおこしていきます。このあたり、重電の知識と経験をもち、制御盤の設計・製造まで行っている丸芝の得意技といってよいでしょう。

このリアクトルはとくに劣化が進んでいるため更新。気中遮断機は、より信頼性の高い真空遮断機に更新し、さらに電力監視装置を新たに組み込むことになりました。

交換工事はお盆休みの一斉点検を充当。工場全体の安全大会に参加して、撤去・搬入・据え付けなどの手順と日程を調整。世間の皆さまが羽を伸ばしている間に一気に工事を行いました。

取り外した機器はすべて法律にのっとった廃棄処分を行い、証明書・確認書などを整えてお届けし、ようやくすべての作業が完了しました。

yamamoto