三相巻線型モータのブラシ取り付け部が破損!応急処置と、取り付け部品だけの新調・交換でローコストの延命を実現しました。

投稿日 : 2014-04-04

関東地区の建築資材プラントも、丸芝が長くおつきあいいただいている事業所さま。電機品の納入はもちろん、定期メンテナンスや緊急時対応を丸芝は担当しています。

この製造ラインに、比較的頻繁に起動・停止を繰り返す、大型送風機(ブロア)が組み込まれています。通常モータでは起動時の電圧降下を招くため、三相巻線型誘導電動機という現在主流ではない、低電流で起動しパワーの大きいモータが使用されていました。

回転軸に取り付けた3組のブラシで、回転子に通す電流を集電するのですが、摩耗してすり減るため定期的な点検・交換が欠かせません。ところがある年の夏の定期点検で、1組のブラシに欠損が見つかったのです。ブラシはシュー2個が1対ですが、そのうちのシューの1個が取り付け部品ごとなくなっていたのです。幸いもう1個のシューが集電を続け、即停止には至らなかったようです。

プラントを止められる数日間で抜本的な対応を講じるのは不可能です。シュー1個でも集電は可能なので、次のプラント点検までは現状で運転し、その間に対策を練ることになりました。

モータを新製する方法は、一般的な三相かご形誘導電動機でも1000万円を越えるうえ、変電設備を増設するか起動電流を抑える設備が必要になります。

そこで、モータの製造元に問い合わせたところ、ブラシの取り付ける部品だけの新製が可能と判明。欠損箇所以外も含め3組すべてのブラシを新製し、まとめて交換することで解決を図ることができました。こうして、モータを新製する十数分の一のコストで、安心してラインを稼働させることができました。

事例1-1
ブロア外側のドアをあけて問題箇所を点検

事例1-2
問題のブラシへの給電部分

事例1-3
致着した部分の取り替えで、ローコストで延命できました。