試験器の変速機が故障!よりよい解決策の模索を通してより簡単・正確な回転数制御を実現しました。

投稿日 : 2014-04-04

特殊機械部品のメーカーさまから「メカニカルシールの性能評価機に問題が起きたので、対策を考えてほしい」という依頼が入りました。
メカニカルシールとは、モータやエンジンなどの回転軸とその支持部品との隙間を埋める部材のことです。問題の機械は、モータの回転数をフレキシブルに変えてメカニカルシールの性能を試験するもので、回転数の調整にはオイル変速機が使用されていました。その変速機でオイル漏れが生じたのです。

少し余談になりますが、実は変速機はメカニカルな装置。「電気屋」である丸芝が担当するのは、マト外れなのかもしれません。しかしお客さまにすれば変速機もモータの一部分であり、そこで生じたトラブルです。お困りごとに耳を傾け、解決策を考えることが丸芝の基本スタンスです。
また「丸芝ならなんとかしてくれるだろう」とお考えいただいたワケですから、ある意味、光栄の至りです。

さて、大急ぎで解決策を検討しなければなりません。

ここで大切なのが、お客さまが望まれる仕様のヒアリングです。多くの場合、お客さまが提示する仕様は専門領域における仕様。それをしっかり理解・把握し、ご要望を実現する「電気の仕様」へと翻訳する作業が重要なのです。

今回のケースで一般的な解決策は変速機の修理です。丸芝も、ギアモータでは数え切れない取り扱い実績があり、変速機の修理や調整ができる社外のネットワークも整えています。しかしオイル変速機は機構が複雑で、この先も点検・保守が必要になります。

試験器の運転条件をお聞きするうち、丸芝の担当者の頭のなかに新しい解決策が浮かびました。それは、変速機を使わない回転制御! モータを三相かご形誘導電動機に交換しインバータ制御化すれば、求められる無段階の回転数制御が可能になるとひらめいたのです。
必要出力の電動機が試験器に取り付けられること、試験器の回転軸に接続できることなども確認。
こうして、思いもかけない方法で問題を解決することができました。

インバータを組み込んだ制御盤、電気的な操作コンソールなどが必要になるなど、スペースに余裕があったから実現できた方法ではありますが、簡単な操作で正確な回転数制御が行えるようになったと、好評をいただいています。

yamamoto